30年程前のお話です。
今の様にコンプライアンスというものが厳しくないユルいユルい時代の話でございます。
調査屋として活躍するマオさんに取引先の病院から奇妙な依頼があります。
「インターンの学生医師が患者と会話が出来ない、彼らを患者とコミュニケーションを取れるよにして欲しい」
院長も病院を大きくしたいという想いがありその3人には手を焼いていたのです。
調査屋マオさんに託されたのは、医師の卵3人。
マオさんどうしたか!?
マオさん、その3人を京都駅から車に乗せ、走らせる事およそ3時間。
着いたのは、京都の最北端 芦生。
山のふもとでございます。
そこから山道を歩く事またまた3時間。
たどり着いたのは由良川の源流。
原生林の中でございます。
そしてマオさん、3人に米と飯盒、調味料、マッチ、ライトを持たせます。
米以外の食料は野草と川魚を獲れと伝えて3人をバラバラにさせ別れます。
残された3人は何故か素直に従ったということです。
さてさて、昼間はまだ日があり良いのですが、日が沈んだ原生林は漆黒の闇。
大地はうねり、風が鳴き、激しい谷の水音、そしてどこからともなく獣の声。
恐怖! 恐怖! 恐怖!
その恐怖の中で、3人は3日間、寝泊りをしました。
さぁどうなったか?
3日後マオさんが3人を見に行くと
それぞれが顔を真っ先にしてへたり込んでいたそうです。
その後、3人のうち2人は患者と会話が出来るようになったそうで、1人はそのままだったようです。
3人は今も現役の医師として活躍してるそうです。
マオさん曰く
「原生林の漆黒の闇の中で過ごすと自分のちっぽけでどうしようもない存在をだと知り、人は1人では生きて行けないのだと気付く」と言うことでした。
人権、コンプライアンスが今ほど叫ばれていない、30年程前のマオさんの医師の卵を荒治療したというお話でした。
※決してマネしないでくださいね。
調査屋マオさんの恋文
https://www.mao-koibumi.com
Comments